精選版 日本国語大辞典 「刈り安」の意味・読み・例文・類語
かり‐やす【刈安・青茅】
- 〘 名詞 〙
- ① イネ科の多年草。各地の山野に群生するが、古来染料植物として栽培もされた。高さ一メートル内外。葉は互生し、長さ二〇~四〇センチメートルの広線形でやや薄く、下部は鞘(さや)状に茎を包む。夏から秋に茎頂から三~六本に枝分かれした花穂を出し、枝穂の各節に二個ずつの小穂をつける。小穂には芒(のぎ)がない。煎(せん)じ汁を黄色の染料にする。滋賀県伊吹山の産が有名で、近江刈安(おうみかりやす)の名もある。刈りやすい意からきた名という。かりやすぐさ。やまかりやす。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「刈安草 カリヤス」(出典:色葉字類抄(1177‐81))
- 「茶染の法。黄茶は、下地を苅安にて黄に染て」(出典:政基公旅引付‐文亀二年(1502)八月二九日)
- ② 植物「こぶなぐさ(小鮒草)」の異名。〔書言字考節用集(1717)〕
- ③ 「かりやすぞめ(刈安染)」の略。また、①で染めた色の名。山吹や鬱金(うこん)よりも赤みが少なく、鮮やかな黄である。