刈米達夫(読み)かりよねたつお

日本大百科全書(ニッポニカ) 「刈米達夫」の意味・わかりやすい解説

刈米達夫
かりよねたつお
(1893―1977)

薬学者。大阪市出身。東京帝国大学薬学科卒業。薬学博士。1918年(大正7)内務省技師に任官、第一次世界大戦後、製薬資源調査に欧米・アジアを巡察薬用植物栽培試験の基礎を築く。1940年(昭和15)京都帝国大学教授に就任、生薬(しょうやく)学講座を創設し、生薬学に新生面を開発した。1953年(昭和28)国立衛生試験所(現、国立医薬品食品衛生研究所)所長に就任し、戦災復興、機構改革、発展に顕著な功績を残した。国際交流も卓抜で、国連薬局方・同麻薬統制委員、日米農薬問題委員として活躍した。日本学術会議会員、中央薬事審議会会長、日本薬学会会頭ほかを歴任。パリ大学名誉博士。フランスよりアカデミー勲章を追贈された。著書に『最新生薬学』(1949)、『最新植物化学』(1969)ほかがある。

[根本曽代子]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「刈米達夫」の解説

刈米達夫 かりよね-たつお

1893-1977 昭和時代の生薬学者。
明治26年8月19日生まれ。東京衛生試験所薬用植物部部長などをへて昭和14年京都帝大教授となる。戦後,国立衛生試験所長,中央薬事審議会会長,日本薬学会会頭などをつとめた。昭和52年6月20日死去。83歳。大阪出身。東京帝大卒。著作に「最新生薬学」など。

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