制度部門別分類(読み)せいどぶもんべつぶんるい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「制度部門別分類」の意味・わかりやすい解説

制度部門別分類
せいどぶもんべつぶんるい

国民経済計算体系において、一定期間内における国民経済活動の大きさを資金の流れの側面から把握するときに用いられる取引主体に関する分類のこと。非金融法人企業、金融機関、一般政府、対家計民間非営利団体、そして家計の五つの部門に分けられている。国民経済のなかの資金の流れに関しては、所得支出勘定および資本調達勘定としてとらえられるが、その具体的な活動である所得の受取りや処分(支払い)、または資金の調達資産の運用について、それぞれの意思決定主体としての等質性、すなわち金融活動における役割・行動などに注目してグループ分けをしたものである。この分類を採用することにより、国民経済のなかの所得および金融の活動の側面が、物に関する活動とは異なる特性をもつものとして明確に把握されることになる。この分類は財貨・サービスの流れに関する経済活動別分類と対応するものであり、後者が生産活動としての技術的特性に注目して分類されるのに対して、この分類は資金の受払いや調達・運用に関する意思決定を行う企業などの制度的単位が分類基準とされるところからこの呼び名がある。

高島 忠]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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