刺繍釈迦如来説法図(読み)ししゅうしゃかにょらいせっぽうず

精選版 日本国語大辞典 「刺繍釈迦如来説法図」の意味・読み・例文・類語

ししゅうしゃかにょらいせっぽうず シシウシャカニョライセッポフヅ【刺繍釈迦如来説法図】

繍帳(しゅうちょう)。縦二〇七・六センチメートル、横一五七・六センチメートル。奈良前期の作。一説に中国唐代の作。図柄中央に説法する如来が座し、その周囲に諸菩薩諸天を配した法隆寺金堂壁画に類似したもの。国宝。奈良国立博物館蔵。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「刺繍釈迦如来説法図」の意味・わかりやすい解説

刺繍釈迦如来説法図
ししゅうしゃかにょらいせっぽうず

白平絹に多彩な色糸で釈迦の説法相を刺繍したもので,技法的には鎖繍 (くさりぬい) と相良 (さがら) 繍併用。奈良国立博物館蔵。もと京都勧修寺に伝わったことから『勧修寺繍帳』とも呼ばれる。繍仏の制作が盛んであった奈良時代8世紀の唯一の遺品。樹下の宝床に腰掛けた釈迦を中心に,多数の菩薩や仏弟子,楽天などが集る図様は,法隆寺金堂壁画浄土図よりも,一層荘厳さを増して中国,盛唐期の仏説法図を思わせ,絵画史上でも重要。国宝。

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