…マルクスは,この特徴を,資本主義の場合と対比することによって明らかにした。すなわち,資本主義の下では,労働者は自分の労働力を資本に売って賃金という代価を受け取るが,このとき労働者の剰余労働は,労働力売買という商品交換の経済法則によって,強制なしに資本に収奪されていく。これに対して封建社会では,農民は土地保有権(下級所有権)をもって自立した経営を行い,その生産物を我が物としている。…
… 資本(企業)は労働者に,1日の生計に必要な生活物資を買う価値(賃金)を払って労働力を買うのであるが,付加価値をつくり出す労働日のうち,労働力の再生産に必要な生活物資を生産する時間に当たるものが〈必要労働〉部分で,これが労働力の価値を規定する,とされる。労働日の残りの部分が〈剰余労働〉部分である。この必要労働部分と剰余労働部分を合わせた労働日を,企業の作業場で働いて,新しく価値(付加価値)を形成するというのが労働機能である。…
…マルクス経済学においては,剰余価値は資本の本質規定をなし,資本主義を説明するのに必須の核心をなす概念となっている。
[剰余労働,剰余生産物]
どのような社会でも,経済生活に必要な財(食料,衣服のような生活必需品や,これらを生産するのに使用される原料,道具など)の生産に直接たずさわる人々は,自分たちに必要な量はもちろんのこと,これ以上の生産物を生産する。これは,王や家臣たち,領主や主人,呪術師や祭司など,財の生産に直接かかわらない人々も消費生活を営んでいかなければならないからであり,また経済が拡大していく場合には新しく追加される道具や機械が作り出されていなければならないからである。…
…このような角度から利潤を論じるとき当然問題となるのは剰余生産物とは何であり,またそれがどのようにして階級間に分配されるかということであって,分配のあり方は資本主義経済をそのまま特徴づけることになる。 剰余生産物は物的にみると生産物の中から原材料や機械設備の減耗分を補塡(ほてん)し,さらに労働者の生活物資を取りのけたあとに残る超過部分であるが,マルクスの労働価値説は,剰余生産物は資本主義社会においては剰余価値という姿をとり,それを生み出すのは労働者の剰余労働であると論じた。利潤の源泉はこの剰余価値にあり,利潤は剰余価値の転化した姿にほかならない。…
※「剰余労働」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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