労働日(読み)ろうどうび(英語表記)working day; Arbeitstag

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

労働日
ろうどうび
working day; Arbeitstag

労働法上は,労働義務のある日という意味で用いられ,休日に対する用語である。マルクス経済学では,資本家労働力を購入し,使用することのできる時間として定義される。またより一般的な用語法としては,個々の労働者が一定期間に労働する時間を労働時間といい,1日に労働する時間 (実働時間) を1労働日とする呼び方もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ろうどうび【労働日 working‐day】

1日24時間のうち,労働者が賃金を得るため雇用主に提供する労働時間のことで,必要労働時間剰余労働時間の合計。労働者は労働による肉体的・精神的疲労を回復するため,睡眠をとり,食事し,休息をとり,さらに市民として慣習的・文化的欲求を満たさねばならない。そのための労働者に自由な時間は弾力的で短縮可能であり,とくに労働者間で雇用と賃金をめぐる競争が激しい場合は,それが労働者を長時間労働に駆りたて,疲労の回復を遅らせたり,極端な場合はその回復を不可能にさせる。

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大辞林 第三版の解説

ろうどうび【労働日】

労働する日。特に労働契約により労働者が労働の義務を負う日。
一日あたりの労働時間を一単位とする称。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

労働日
ろうどうび
Arbeitstagドイツ語

労働者の1日の労働時間のことを労働日という。資本主義社会における労働者の労働日は、必要労働時間と剰余労働時間とから構成されている。このうち必要労働時間は労働力の価値を再生産するのに必要な労働時間である。実際には労働者はこれを上回って剰余労働を行っており、それによって資本家のための剰余価値が生産される。労働力の価値を生産する必要労働時間は、所与の生産諸条件のもとでは労働力の価値が不変であるがゆえに、一定社会の一定時代においてはだいたい一定である。したがって労働日を延長すればするほど剰余労働時間は長くなり、生産される剰余価値も増大するので、資本家はできる限り労働日を延長しようとする。しかし労働日の延長には限度がある。それは、労働者の生理的・肉体的限度によって、さらに精神的・社会的限度によって、二重に規定されている。この二つの限度はきわめて伸縮自在なため、資本家は肉体的限度ぎりぎりまで労働日を延長しようとするが、これに対して労働者は、労働力が順当に再生産されるよう労働日の短縮を求めて反対する。こうした労働日をめぐる資本家階級と労働者階級の激しい闘争の結果として、法律によって標準労働日が設定された。イギリスでは1847年に10時間労働制が制定され、1919年にはILO総会で8時間労働制に関する条約が採択された。日本では1947年(昭和22)制定の労働基準法で1日8時間、週48時間労働制となり、さらに1999年より週40時間労働の原則が定められた。[二瓶 敏]
『K・マルクス著『資本論』第1巻第3篇第8章(向坂逸郎訳・岩波文庫/岡崎次郎訳・大月書店・国民文庫)』

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