生産者(読み)せいさんしゃ

精選版 日本国語大辞典 「生産者」の意味・読み・例文・類語

せいさん‐しゃ【生産者】

〘名〙
生産する者。生活に必要なものをつくりだす人。生産に従事する者。〔仏和法律字彙(1886)〕
生物学で、自然界において無機物から有機物合成する生物をいう。光合成を行なう緑色植物光合成細菌などが含まれる。独立栄養を営み、生態系内で他の生物の栄養源となる。第一次生産者。

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デジタル大辞泉 「生産者」の意味・読み・例文・類語

せいさん‐しゃ【生産者】

生活に必要な物資などを製造・産出する人。→消費者1
生物学で、生態系において無機物から有機物を合成している独立栄養生物群の総称。主に緑色植物をさすが、化学合成を行う細菌類も含まれる。→消費者2分解者

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生産者」の意味・わかりやすい解説

生産者
せいさんしゃ
producer

生態学用語。無機物から有機物を合成,生産する生物の意で,独立栄養生物を生態学の立場からみたときに,このように呼ぶ。光合成をする植物および細菌類(→光合成細菌光独立栄養)と,化学合成細菌がこれに属する。ただしエネルギーの流れを中心にしてみた場合には,光合成生物のみを生産者といい,化学合成生物は,分解者とともにまとめて,転換者と呼ぶことがある。生産者を消費して,エネルギーを得る従属栄養生物は,消費者と呼ぶ。生産者,消費者などの食物連鎖における各栄養段階を個体数などに応じて示し,積み重ねると,ピラミッドの形をとる。それを,生態ピラミッドと呼ぶ。(→生産生態学生態系

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「生産者」の意味・わかりやすい解説

生産者
せいさんしゃ

生態系内でのエネルギーの流れと物質循環において、外界のエネルギーを化学エネルギーとして取り込み、無機化合物から有機化合物をつくる役割を果たす生物をいう。無機栄養生物独立栄養生物あるいは自家栄養生物ともいう)がこれにあたる。1918年にドイツの陸水生物学者ティーネマンが初めて使用した。対語に消費者、分解者がある。

 自然界では光合成を行う緑色植物が圧倒的に多く、これが生産者の大部分を占めるのが普通であるが、一部の湖などでは、種々の化学合成を行う生物が多く、これが生産者の主要な部分を占めることもある。また、有機栄養生物(従属栄養生物ともいう)を消費者あるいは分解者とよぶのは、その機能から適当でないという主張があり、これに従うと、ここでいう生産者は第一次生産者とよぶ。

[牧 岩男]

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