割出し台(読み)わりだしだい(その他表記)dividing head; index head

日本大百科全書(ニッポニカ) 「割出し台」の意味・わかりやすい解説

割出し台
わりだしだい

円周を任意の数に等分割する、いわゆる割出し作業に用いられる装置。歯切り、ドリルフライスの溝削りなどのフライス削り、位置決めまたは測定などに利用される。工作物は割出し台の主軸に直接取り付けるか、あるいは主軸のセンターと芯(しん)押し台のセンター間で支持する。主軸とハンドルはウォーム歯車および平歯車機構を介して連結しており、その回転角の比は1対40(主軸対ハンドル)のものが多い。また、ハンドル側には種々の個数の小穴が同心円状に配列された割出し板が設けられており、これによりハンドル1回転の端数を割り出すことができる。主軸を水平方向に固定した固定形と、主軸を任意の角度に傾けられる万能形とがある。

[清水伸二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「割出し台」の意味・わかりやすい解説

割出し台
わりだしだい
dividing head; index head

工作物の円周を所要の角度に分割する作業 (割出しという) に用いる器具。機械的なものと光学的なものとある。いずれもこの器具の主軸 (工作物を取付ける軸) は歯車機構を介してハンドルと連動し,減速されて,ハンドルの回転角の数十分の1が主軸に伝達される仕組みになっている。機械的割出し台では,ハンドル前面に円周を幾通りにも等分した位置に小穴または切欠きをもった円板 (割出し板) があり,この穴を利用してハンドルの回転角を定める。光学的割出し台では,主軸に固定された目盛り板を顕微鏡または投影装置で読取り回転角を決める。割出し精度前者で1′,後者で3″程度である。主軸を任意に傾斜できるものを万能割出し台という。通常はフライス盤のテーブル上に取付け,歯切り,ドリルやフライスの溝削り,位置決めなどに使用する。

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