劇症型溶血性レンサ球菌感染症(読み)げきしょうがたようけつせいレンサきゅうきんかんせんしょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

劇症型溶血性レンサ球菌感染症
げきしょうがたようけつせいレンサきゅうきんかんせんしょう

A群溶血性レンサ球菌溶連菌)による感染症の劇症型。1980年代半ばに現れた症状で,血液凝固の異常,腎臓・肝臓の障害,筋肉壊死などを起こし,重篤な場合は多臓器不全や肺の出血で死亡する。1994年にヨーロッパで「人食いバクテリア」として報じられ,関心を集めた。日本では 1993年6月に最初の死亡例が確認され,その後は年間 20~200例前後の患者が報告されている。溶連菌はありふれた常在菌で,通常は喉の痛みなど風邪と似た症状が出るだけだが,ときに猩紅熱腎炎にいたる場合もある。毒素を大量に出す菌が突然変異で出現したか,感染者の免疫機能低下が原因と推定されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

関連語 変異

貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...

実質賃金の用語解説を読む