猩紅熱(読み)しょうこうねつ(英語表記)scarlet fever

翻訳|scarlet fever

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

猩紅熱
しょうこうねつ
scarlet fever

A群溶血性レンサ球菌による感染症。旧伝染病予防法法定伝染病とされていたが,今日では A群溶血性レンサ球菌感染症の一病型とされ,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律のなかで猩紅という病名は使われていない。小児の罹患が多い。飛沫感染接触感染し,口蓋扁桃を侵し,毒素を出す。3~7日の潜伏期ののち発熱し,独特の皮疹が現れる。皮疹は頸部,腋窩,鼠径部,前胸部に始まり体全体に広がるが,口と鼻の周囲には現れない。舌は,初期には白い舌苔で覆われるがやがてそれがとれ,苺状舌と呼ばれる赤いぶつぶつ状となる。1週間ほどで皮疹の落屑が始まり,回復に向かう。治療には抗生物質が有効。早期に抗生物質を使うと免疫の獲得が不十分で再感染することもある。予防接種はない。1675年イギリスの医師トマス・シデナムが記載した。(→劇症型溶血性レンサ球菌感染症

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デジタル大辞泉の解説

しょうこう‐ねつ〔シヤウコウ‐〕【×猩紅熱】

溶血性連鎖球菌によって起こる感染症。のどが痛み、急に高熱を出し、全身に発疹が現れる。小児に多く、治療にはペニシリンが有効。以前は、法定伝染病学校伝染病の一つであったが、ペニシリンで治療すれば軽症で治ることが多いことから、溶連菌感染症という病名で在宅治療を行うのが普通となり、現在では猩紅熱という病名で法的な規制は受けない。

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百科事典マイペディアの解説

猩紅熱【しょうこうねつ】

法定伝染病。A群溶血性連鎖球菌による。2〜10歳の小児に多発する。飛沫(ひまつ)感染が主体で,発熱,咽頭(いんとう)炎,首の周囲や上胸部に始まって全身に及ぶ落屑(らくせつ)を伴う微細な鮮紅色の発疹が特徴である。この間,イチゴ舌と呼ばれる舌乳頭の発赤腫大もみられる。中耳炎・腎炎・リウマチ様症状を合併することがある。ペニシリンなどの化学療法により治療する。→溶連菌感染症
→関連項目スーパー抗原

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世界大百科事典 第2版の解説

しょうこうねつ【猩紅熱 scarlet fever】

A群β溶連菌の感染による法定伝染病。この溶連菌の感染で発病するものにはほかに咽頭炎,扁桃炎,丹毒,急性糸球体腎炎などがあり,さらに反復感染の後にリウマチ熱を起こすこともある。この菌で猩紅熱になることはむしろ少なく,また近年,本症は軽症化が目立ち,不完全型が多くなって,猩紅熱と診断されずに溶連菌感染症といわれている場合もある。 猩紅熱は5~7歳の小児に多い病気で,38~39℃の発熱,咽頭痛,頭痛,吐き気,嘔吐などの症状で始まり,ときには強い腹痛がある。

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大辞林 第三版の解説

しょうこうねつ【猩紅熱】

A 群溶血性連鎖球菌による感染症の際、分泌された毒素に免疫のない小児に起こる症状。突然発熱し、頭痛・咽頭痛を訴え、やがて全身に赤い発疹ができ、舌はイチゴ状となる。 → 溶血性連鎖球菌感染症

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精選版 日本国語大辞典の解説

しょうこう‐ねつ シャウコウ‥【猩紅熱】

〘名〙 感染症法による四類感染症の一つ。子どもに多いところから学校伝染病でもある。のどの痛みとともに高熱を発し、全身に発疹が現われる。扁桃腺(へんとうせん)が赤くはれ、嚥下痛(えんげつう)があり、舌は発病後三~四日して、ぶつぶつのあるまっかないちご舌になる。病原体は溶血性連鎖球菌。飛沫感染が主で、回復期に腎炎や関節炎を起こすことがある。
※風俗画報‐二三九号(1901)医局「虎列剌(これら)、痘瘡、猩紅熱(シャウコウネツ)、ペスト、黄熱等、怖るべき伝染病ある時は」
[補注](1)「医語類聚」(一八七二)に「Scarlatina, 猩紅熟」とあるが、「熟」は「熱」の誤りであろう。
(2)病名のいわれは、発疹の現われた皮膚の赤さが中国の想像上の動物、猩猩の顔に似ているとされたところから。

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世界大百科事典内の猩紅熱の言及

【泉熱】より

…猩紅熱(しようこうねつ)に似た病気で,異型猩紅熱ともいわれる。1927年に流行したものを泉仙助(1888‐1979)が独立疾患として報告した(1929)ので,その姓をとって泉熱と呼ばれるようになった。…

※「猩紅熱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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