加瀬村(読み)かせむら

日本歴史地名大系 「加瀬村」の解説

加瀬村
かせむら

[現在地名]利府町加瀬

利府本郷の南に位置し、石巻いしのまき街道が通る。大部分が平野部で、村南端、市川いちかわ(現多賀城市)にかかって加瀬沼が所在。留守分限帳(留守文書)によると、留守氏の重臣佐藤玄蕃頭の知行地が「かせ山」にもあった。慶長年間(一五九六―一六一五)までは利府本郷・もり郷とともに利府郷を形成し、同年間に開かれたと思われる利府宿のうちみなみ町・八幡やわた町の二町が所在する。この二町は文禄四年(一五九五)の利府之郷検地名寄帳(仙台市博物館蔵)にみえ、各々検断が置かれていた。なお「安永風土記」書上げ当時、村の肝入検断を勤めていた喜右衛門の先祖は慶長年間当地に移住したという。

正保郷帳によると田六八貫一一二文・畑一五貫三三四文、旱損注記がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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