日本歴史地名大系 「利府宿」の解説 利府宿りふしゆく 宮城県:宮城郡利府町利府本郷利府宿[現在地名]利府町利府など石巻(いしのまき)街道(気仙道)の宿駅。仙台城下を出ると最初の宿が原町(はらのまち)(現仙台市)で、ここから二里二一町四九間で利府宿に着き、さらに三里四〇間で高城(たかぎ)宿(現松島町)に至る(「宿場定」四冊留)。このほか塩竈、松島、黒川郡大松沢(おおまつざわ)・大谷原(おおやはら)町(現大郷町)、奥州街道の宿駅富谷(とみや)(現黒川郡富谷町)および吉岡(よしおか)(現同郡大和町)などにも通じていた。宿の成立時期は明確ではないが、文禄四年(一五九五)の利府之郷検地名寄帳(仙台市博物館蔵)に大(おお)町・中(なか)町・東(ひがし)町・南(みなみ)町・八幡(やわた)町・三日(みつか)町などの名があり、大町に二郎兵衛(持高一町一反余)、中町に弥七郎(持高四反余)、東町に新助(持高一反余)、南町に平右衛門(持高九畝余)、八幡町に河内(持高七反余)と、それぞれ検断が置かれていた。なお三日町は定期市が開かれていたのであろう。これらの町は、利府本郷品替百姓大町屋敷肝入検断惣吉家などの書出(安永風土記)では、惣吉家が文亀元年(一五〇一)に岩切(いわきり)(現仙台市)より移住したとある以外、利府本郷・加瀬(かせ)村などの代数有之百姓書出によると、肝入検断などを勤める有力農民は、いずれも慶長年間(一五九六―一六一五)の移住である。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by