利府(読み)りふ

改訂新版 世界大百科事典 「利府」の意味・わかりやすい解説

利府[町] (りふ)

宮城県中部,宮城郡の町。人口3万3994(2010)。南は仙台市,多賀城市に,東は塩釜市に接し,北東は松島湾に面する。丘陵大部分を占め,南西部に沖積平野が広がる。海岸沿いをJR東北本線,国道45号線が通り,仙台市の岩切駅からは東北本線の支線利府線が通じる。鎌倉期に奥州留守職伊沢氏の所領となった。伊沢氏の子孫は留守氏と称したが,戦国期には伊達氏に帰属し,近世には仙台藩領であった。中心集落の利府は江戸時代に浜街道の宿駅として栄えた。明治中期から丘陵斜面で梨栽培が行われ,現在も〈利府梨〉を特産する。松島湾岸の浜田ではノリ養殖を中心とした漁業が営まれる。東北新幹線仙台総合車両基地や日本住宅・都市整備公団の住宅団地が造成され,1990-95年の人口増加率は54%で県下一であった。明治100年を記念した県民の森(420ha)がある。
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