利府(読み)りふ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「利府」の意味・わかりやすい解説

利府(町)
りふ

宮城県中東部宮城郡の町。1967年(昭和42)町制施行。仙台市の北部にあり、東部は松島湾に臨む。JR仙石(せんせき)線、東北本線の支線利府線、国道45号、三陸沿岸道路、仙台北部道路が通じ、利府ジャンクションで接続する。室町時代は伊沢氏(後の留守氏(るすうじ))の城下町近世石巻(いしまき)街道の宿場であった。1884年(明治17)に導入された和ナシ栽培は松島丘陵斜面で行われる。仙台、塩竈(しおがま)の近郊住宅地として両市への通勤者が多い。東北新幹線の車両基地がある。仙台市との境にある岩切城跡(いわきりじょうあと)は、戦国大名留守氏の居城跡で国の指定史跡。西部には広大な県民の森や宮城スタジアムがある。面積44.89平方キロメートル、人口3万5182(2020)。

[長谷川典夫]

『『利府村誌』(1963・利府村)』『『利府町誌』(1986・利府町)』


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改訂新版 世界大百科事典 「利府」の意味・わかりやすい解説

利府[町] (りふ)

宮城県中部,宮城郡の町。人口3万3994(2010)。南は仙台市,多賀城市に,東は塩釜市に接し,北東は松島湾に面する。丘陵が大部分を占め,南西部に沖積平野が広がる。海岸沿いをJR東北本線,国道45号線が通り,仙台市の岩切駅からは東北本線の支線利府線が通じる。鎌倉期に奥州留守職伊沢氏の所領となった。伊沢氏の子孫は留守氏と称したが,戦国期には伊達氏に帰属し,近世には仙台藩領であった。中心集落の利府は江戸時代に浜街道の宿駅として栄えた。明治中期から丘陵斜面で梨栽培が行われ,現在も〈利府梨〉を特産する。松島湾岸の浜田ではノリ養殖を中心とした漁業が営まれる。東北新幹線仙台総合車両基地や日本住宅・都市整備公団の住宅団地が造成され,1990-95年の人口増加率は54%で県下一であった。明治100年を記念した県民の森(420ha)がある。
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百科事典マイペディア 「利府」の意味・わかりやすい解説

利府[町]【りふ】

宮城県中部,塩竈市に接する宮城郡の町。稲作果樹野菜を産し,特にササニシキと利府ナシは有名。主集落は東北本線岩切駅から分岐する支線の終点で,仙台市,塩竈市への通勤者が多い。西部の県総合運動場にサッカーワールドカップ会場の宮城スタジアムがある。東日本大震災で,町内において被害が発生。44.89km2。3万3994人(2010)。

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