六訂版 家庭医学大全科 「化膿性汗腺炎」の解説
化膿性汗腺炎
かのうせいかんせんえん
Hidradenitis suppurativa
(皮膚の病気)
どんな病気か
アポクリン汗腺がたくさんある部位に起こる、急性あるいは慢性の化膿性の病気です。
原因は何か
黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌が多く検出されます。発生部位が
症状の現れ方
思春期から青壮年期の人で、腋の下、乳房の下、外陰部、お尻から肛門の周囲などに生じます。痛みのあるしこりとして始まり、やがて赤みを伴ってドーム状にはれ、皮膚のなかで
検査と診断
アポクリン腺の多いところに発症しやすいことが特徴です。痛みのあるしこり、膿瘍ができたり、うみが出たり、これらがしばしば慢性に繰り返すことから、診断は比較的容易です。うみからは必ず細菌培養検査を行います。
治療の方法
抗菌薬を内服します。膿瘍は切開してうみを出しますが、慢性になって治りにくい時は、病変部を手術的に取り除いて植皮術をすることもあります。
病気に気づいたらどうする
この病気のできやすい場所を清潔に保つよう注意し、腋毛をそったり、きつい下着を付けるなどの誘因を避けるよう気をつけることが大切です。
多田 讓治
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報