北太田遺跡(読み)きたおおたいせき

日本歴史地名大系 「北太田遺跡」の解説

北太田遺跡
きたおおたいせき

[現在地名]草津市上寺町・長束町

長束なつか町の南溝畑みなみみぞはた遺跡と一部重複し、その東側一帯に広がる弥生時代中期を中心とする遺跡。上寺かみでら町の集落の東側一帯(水田地帯)にあり、昭和五七年(一九八二)・五八年の発掘調査で、二八基の方形周溝墓をはじめとする多くの遺構が発見された。方形周溝墓は後世の削平を受け、二一号墓で主体部とみられる凹みを検出したほかは、周濠のみの検出に終わった。数基の方形周溝墓群の溝内より、供献されたと考えられる土器が出土している。出土地点は溝のコーナーや中央部に集中しており、いずれも溝底に張付くように置かれていることから、埋葬時に置かれたものとみられる。弥生時代中期の土器が大半を占めるが、前期にさかのぼる可能性をもつ土器も含まれ、弥生時代前期から継続的に営まれた墓地とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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