北斎漫画(読み)ホクサイマンガ

デジタル大辞泉 「北斎漫画」の意味・読み・例文・類語

ほくさいまんが〔ホクサイマングワ〕【北斎漫画】

葛飾北斎画集北斎による絵手本を集めたもの。文化11年(1814)に初編刊行没後も刊行が続くが他筆も混じる。明治11年(1878)に全15編をもって完結した。収録された絵手本は約4000点にのぼる。「富嶽三十六景」とともに、欧州中心とする海外芸術家影響を与えたことで知られる。北斎スケッチ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の北斎漫画の言及

【葛飾北斎】より

…版画以外でも,肉筆の美人画および花鳥画に傑作が多く,中でも《二美人図》《雪中美人図》《酔余美人図》が代表作。その他,絵手本の刊行が注目されるが,山水,花鳥,人物,器物,図案等あらゆる題材を対象とした《北斎漫画》13編(1814‐49)は彼の総決算ともいえる成果で,フランス印象派のドガらにも大きな示唆を与えた。【狩野 博幸】。…

【ジャポニスム】より

…さらに日本の開国とともに,江戸時代の美術工芸品が直接流入するようになり,中国とはちがった日本文化の特色が注目され,さらに,その美術工芸品に内在している固有の美学をフランスの文化・芸術に適用しようとする姿勢も生まれた。 1856年パリの版画家ブラックモンが,版元ドラートルA.Delâtreのところで陶器の包装詰物に使われて偶然送られてきていた《北斎漫画》を発見し,そのデッサンのすばらしさに驚嘆し,これを友人の画家マネ,ドガ,ホイッスラーや批評家シャンフルーリ,ビュルティP.Burtyなどに伝えたところから,やがて印象派を形成することとなる一群の若い画家たちの間に,日本美術に対する異常な関心が発生したといわれている。その真偽については異論がないわけではないが,60年代のブラックモンの作品のなかに,明らかに広重の《魚尽し》や《北斎漫画》から引用した図柄が現れたり,ホイッスラー,マネ,ティソJames Jacques‐Joseph Tissot(1836‐1902)などの絵画作品にジャポネズリーを描き加える例が目だつことは事実である。…

※「北斎漫画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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