北条庄(読み)ほうじようのしよう

日本歴史地名大系 「北条庄」の解説

北条庄
ほうじようのしよう

米沢盆地の北方、現南陽市赤湯あかゆ宮内みやうち金山かねやま漆山うるしやま一帯に広がる。成立時期は明らかでないが、成島なるしま庄・屋代やしろ庄が成立するのに次いで、一二世紀中葉頃ではないかとも考えられている。建武四年(一三三七)一月一八日の沙弥某奉書写(秋田藩家蔵文書)に「出羽国北条庄下高梨子村田中田在家等地頭職」とあり、相模国足柄下あしがらしも池上いけがみ(現神奈川県小田原市)を本貫とし、伊賀常陸などに所領をもっていた亡父真雄の遺領安堵を池上泰光が申請している。熊野宮一山古今日記(大津文書)によれば、宮内の熊野神社は建長二年(一二五〇)には長井泰秀、嘉元元年(一三〇三)には長井貞秀・弟宮内大夫・同時茂らによる修造が行われたとあり、鎌倉期の北条庄は、長井氏本宗の所領であったと考えられる。鎌倉幕府滅亡による動揺はあったものの、長井氏は再び勢力を回復し、南北朝末期の伊達氏進攻まで続いた。当時を伝えるものに板碑があり、周辺には凝灰岩を使用した、頭頂の反り上がった置賜地方独特のものがみられる。漆山の大仏おおぼとけには四メートル以上のものがあり、また鎌倉・南北朝期のものが多く、県内最古の正元元年(一二五九)のものが竹原たけはらにある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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