十七史商榷(読み)じゅうしちししょうかく(その他表記)Shi-qi-shi shang-que; Shih-ch`i-shih shang-ch`üeh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十七史商榷」の意味・わかりやすい解説

十七史商榷
じゅうしちししょうかく
Shi-qi-shi shang-que; Shih-ch`i-shih shang-ch`üeh

中国,清代に作成された正史の代表的考訂書。王鳴盛撰。 100巻。汲古閣の十七史 (史記,漢書,後漢書,三国志,晋書,宋書,南斉書,梁書陳書魏書北斉書,周書,南史,北史,隋書,新唐書,新五代史) に『旧唐書』『旧五代史』を加えたものを対象に,文字の異同をはじめ制度,地理,職官その他について広く諸書を渉猟して考訂を行なっている。1~98巻が正史,残る2巻は一般的に史学を論じている。正史中,特に力を注いだのは『漢書』と『新・旧唐書』で,それぞれ 24巻を費やしている。本書は清朝考証学の発達を示す代表作の一つである。

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世界大百科事典(旧版)内の十七史商榷の言及

【王鳴盛】より

…その学風は乾隆中期以後,経学に刺激され経学の方法を応用して起こった考証史学とよばれるもので,まず歴代の正史を精究して記事の異同をきわめ,さらに雑史・小説・系譜・目録・諸子百家・金石文までも渉猟して考証をなし,その結果によって歴史の事実を定めようとした。著述として,経の分野には《尚書後案》《周礼軍賦説》,史の分野には《十七史商榷(しようかく)》,子の分野には《蛾術編》,集の分野には《耕養斎集》《西沚居士集》がある。【谷 光隆】。…

【考証学】より

…これは諸子の再評価と価値の多様化につながるものといえる。(3)歴史学の分野にも考証学の方法が導入せられ,年代や史実についての考証や誤謬の訂正が行われた(趙翼《二十二史劄記》,王鳴盛《十七史商榷》など)。また正史について,補注や表,志も盛んに作成されて,歴史学の体系がいっそう完備したものになった(万斯同《歴代史表》など)。…

※「十七史商榷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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