十勝岳連峰(読み)とかちだけれんぽう

日本歴史地名大系 「十勝岳連峰」の解説

十勝岳連峰
とかちだけれんぽう

大雪山山系の南西部に位置し、南西方向に連なる火山連峰。大雪山国立公園のうち。黄金こがねヶ原の鞍部を大雪山との境界とし、南西方向に向かってツリガネ山(一七〇八メートル)オプタテシケ山(二〇一二・七メートル)美瑛びえい富士(一八八八メートル)美瑛(二〇五二・三メートル)、十勝岳(二〇七七メートル)、上ホロカメットク山(一九二〇メートル)富良野岳(一九一二・一メートル)、前富良野岳(一六二五メートル)あさひ(一三二四・九メートル)などが続く二〇〇〇メートル内外の連峰をさす。北東から南西に延びる稜線の南東側が上川新得しんとく町・空知郡南富良野町・富良野市・空知郡中富良野町、北西側が上川郡美瑛町・空知郡上富良野町となっている。第三紀中新世末のグリーンタフ火山活動終期の陸化・削剥された台地上に、第四紀初頭に新期火山活動が開始、五〇万年前頃までに大量の十勝岳溶結凝灰岩流を、おもに連峰山体北西麓に流して連峰の主要部分を形成した。三〇万年前頃に美瑛富士・美瑛岳・十勝岳・上ホロカメットク山を中心とする最新期の火山活動に移り、他の火山はほぼ活動を終了した。連峰主稜西側に美瑛岳の馬蹄形大爆裂火口、スリバチ火口(直径約四〇〇メートル)、グランド火口(直径約七〇〇メートル)など一万―三万年前の大火口を開く。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報