北海道中央部、上川(かみかわ)総合振興局管内の町。1940年(昭和15)町制施行。JR富良野(ふらの)線、国道237号、452号が通じる。上川、富良野両盆地を隔てる溶結凝灰岩の丘陵が広い面積を占めて畑作地帯となり、東境には忠別(ちゅうべつ)岳、トムラウシ山、美瑛岳、十勝(とかち)岳など石狩山地南西部の火山峰が連なって、大雪山(たいせつざん)国立公園の一部となっている。丘陵を開析する諸河川の幅広い谷床は水田地帯となり、美瑛川はこれらをあわせて上川盆地に流下している。十勝岳山麓(さんろく)に白金温泉(しろがねおんせん)がある。地名は、美瑛川をよぶアイヌ語ピイェ(油ぎったの意)に起源し、上流部は硫黄(いおう)により濁っていることから名づけられたという。面積676.78平方キロメートル、人口9668(2020)。
[岡本次郎]
『『美瑛町史』第4巻(1980・美瑛町)』▽『『美瑛町史』第5巻(1991・美瑛町)』
北海道中央部,上川支庁上川郡の町。人口1万0956(2010)。地名はアイヌ語の〈ピイェ(油)〉に由来する。川の水源が硫黄山で,そのため川が濁っていたことによるとされている。上川・富良野(ふらの)両盆地の間にあり,石狩川の支流美瑛川が北西流する。東部には大雪山,十勝岳がそびえる。町の中心はJR富良野線美瑛駅周辺で,国道237号線が通る。1894年ころから入植が始まり,99年には鉄道が通じて開拓が進んだ。丘陵地での畑作農業が主産業で,特にジャガイモの産が多い。ほかに小麦,アズキ,テンサイなどを産し,また美瑛川とその支流沿いの平地で米作が行われる。十勝岳山麓に白金温泉があり,大雪山,十勝岳連峰一帯は大雪山国立公園に含まれる。
執筆者:奥平 忠志
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