千六本(読み)センロッポン

デジタル大辞泉 「千六本」の意味・読み・例文・類語

せん‐ろっぽん〔‐ロクポン〕【千六本/繊六本】

《「繊蘿蔔せんろふ」の唐音せんろうぽ」の音変化》大根などを細長く刻むこと。また、刻んだもの。千切り
[類語]千切り薄切り輪切り乱切りぶつ切りみじん切り

せろっ‐ぽう【本】

《「繊蘿蔔せんろふ」の音変化》「せんろっぽん(千六本)」に同じ。
せぎりにして、又―に刻むか」〈続狂言記俄道心

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精選版 日本国語大辞典 「千六本」の意味・読み・例文・類語

せろっぽん【千六本】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せんろふ(繊蘿蔔)」の変化した語 ) 大根などを細長く刻むこと。また、そのもの。せんぎり。せろっぽ。せろっぽう。せんろっぽん。
    1. [初出の実例]「ほそくきざみてうじたるを繊蘿蔔(せんろふ)と申すを、せろっぽんと云は、いかが」(出典:かた言(1650)四)

せん‐ろっぽん‥ロクホン【千六本・繊六本】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せんろふ(繊蘿蔔)」を唐音に読んだ「せんろうぽ」から変化した語 ) 大根を細長く刻んだもの。一般には大根や人参などを細長く刻むこと。また、刻んだもの。せんぎり。せろっぽん。千本
    1. [初出の実例]「御内儀は千六本に酢をかける」(出典:雑俳・柳多留‐八(1773))

せろっぽう【千六本】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「せんろふ(繊蘿蔔)」の変化した語 ) =せろっぽん(千六本)
    1. [初出の実例]「又せろっほうにきざむか。いやいや、是はせぎりにすると申」(出典:狂言記・俄道心(1700))

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世界大百科事典(旧版)内の千六本の言及

【ダイコン(大根)】より

…古名を〈おおね〉といい,《和名抄》は〈葍〉〈蘿菔〉の字をあて,〈俗に大根の二字を用う〉としている。ほかに,〈蘿蔔(らふ)〉とも書き,せん切りにした意味の繊蘿蔔がなまって千六本ということばが生じたという。近世以前どんな味付けをして食べていたものか,ほとんど知る手がかりがない。…

※「千六本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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