半ばの月(読み)ナカバノツキ

デジタル大辞泉 「半ばの月」の意味・読み・例文・類語

なかば‐の‐つき【半ばの月】

半円形の月。半月はんげつ
「末の世を照らしてこそは二月きさらぎの―は雲がくれけれ」〈続千載・釈教〉
月半ばの月。満月。特に、中秋名月
「秋の空、余りにたへぬ―」〈謡・雨月
表面半月形の穴があるところから》琵琶びわ
四つの緒の調べにつけて思ひ出でよ―に我も忘れじ」〈玉葉集・雑五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「半ばの月」の意味・読み・例文・類語

なかば【半ば】 の 月(つき)

① 半円形の月。半月(はんげつ)
※一宮紀伊集(1113頃)「そらすみて棚引雲もなき夜半はなかはの月を思ひこそやれ」
太平記(14C後)三「涙ゆへ半(ナカバ)の月は陰るとも共に見し夜の影は忘れし」
② 月なかばの月。満月。特に、中秋の月。
弁内侍(1278頃)建長三年八月一七日「などて我露のかごとをかけもせでなかばの月の影にもれけむ」
琵琶異称。その表面に三日月の形の穴があるところからいう。なかばなる月。
※栄花(1028‐92頃)暮待つ星「琵琶弾き遊ぶ。弁、萩の夜のなかばの月を今宵しもといへば、出羽(いでは)弁、一時めづることぞ嬉しき」

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