南昌山(読み)なんしようざん

日本歴史地名大系 「南昌山」の解説

南昌山
なんしようざん

矢巾町と岩手郡雫石しずくいし町の境界に位置。赤林あかばやし山と東根あずまね山を結ぶ稜線の中央にあたり、釣鐘状を呈する急峻な山で、標高八四八メートル。きたノ沢・金壺かなつぼ沢などが発する。当山は従来新期火成活動の初期もしくは第三紀末の石英安山岩噴出により形成されたといわれていたが、調査の結果トロイデ状火山ではなく、第三系鮮新統に属する石英安山岩質凝灰岩の残丘の可能性もあるという(矢巾町史)。「邦内郷村志」によると、もとはどくヶ森とよばれたが、元禄一六年(一七〇三)に現在の名に改められたという。悪竜のすむ秘境の地であったとされ、山頂から毒気が噴き出して絶えず雲がかかり、山中は魑魅魍魎がすむような様相を呈し、霊湖・大滝岩窟があるという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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