南桃作(読み)みなみ・ももさく

朝日日本歴史人物事典 「南桃作」の解説

南桃作

没年:明治9.8.29(1876)
生年:文政2.1.10(1819.2.4)
幕末維新期の機械発明改良家。名は与平。梅玉と号した。土佐国(高知県)幡多郡中村生まれ。南鉄三郎の子。温厚で思考力にすぐれていた。遠近鶴鳴に学び,長じて漢学,国学を修め,詩歌・俳句をよくし,文章の上手であった。機械を利用して人力を省くことを考え製作道具の発明に努力し,幡多郡奉行のころの後藤象二郎に称賛された。米搗粉挽車,水車機織器,板挽割および煙草刻器,樟脳大釜焚製造器,人力水汲車,河掘器械車船,糸引器,紙漉器,紐打器などを発明改良した。特に樟脳製造器は生産を高め,土佐式といわれて大正時代まで使用された。著書に『大学遠鏡』『通俗神代巻』『幡多郡地名考』などがある。<参考文献>『中村市史

(山本大)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「南桃作」の解説

南桃作 みなみ-ももさく

1819-1876 江戸後期-明治時代発明家
文政2年1月10日生まれ。土佐(高知県)幡多郡(はたぐん)中村の人。米搗粉挽車,水車機織器,煙草刻器,人力水汲車,河掘器械車船,糸引器などを発明,改良。とくに樟脳(しょうのう)大釜焚製造器は土佐式とよばれ,大正時代までもちいられた。明治9年8月29日死去。58歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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