朝日日本歴史人物事典 「南桃作」の解説
南桃作
生年:文政2.1.10(1819.2.4)
幕末維新期の機械発明・改良家。名は与平。梅玉と号した。土佐国(高知県)幡多郡中村生まれ。南鉄三郎の子。温厚で思考力にすぐれていた。遠近鶴鳴に学び,長じて漢学,国学を修め,詩歌・俳句をよくし,文章の上手であった。機械を利用して人力を省くことを考え製作道具の発明に努力し,幡多郡奉行のころの後藤象二郎に称賛された。米搗粉挽車,水車機織器,板挽割および煙草刻器,樟脳大釜焚製造器,人力水汲車,河掘器械車船,糸引器,紙漉器,紐打器などを発明改良した。特に樟脳製造器は生産を高め,土佐式といわれて大正時代まで使用された。著書に『大学遠鏡』『通俗神代巻』『幡多郡地名考』などがある。<参考文献>『中村市史』
(山本大)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報