南郷町(読み)なんごうちよう

日本歴史地名大系 「南郷町」の解説

南郷町
なんごうちよう

面積:六三・一五平方キロ

日南市によって二分される南那珂郡の南部を占める。北は日南市、南と西を串間市に接し、東は日向灘に面する。海岸部には目井津めいつ外浦とのうらなどの漁港が開け、沖合にはおお島が浮ぶ。北西には日南市細田ほそだとの境をなすたきひら(三一九・八メートル)、西には榎原よわら地区と串間市北方きたかたとの境をなす鯛取たいとり(三六六・九メートル)などがそびえ、町域の三分の二は山間部が占めている。細田川支流の南郷川が町域を貫くように東流し、同川に沿うようにJR日南線・国道二二〇号が走り、海岸沿いを同四四八号が縦断する。海岸部は日南海岸国定公園、日南海中公園に指定される。

南郷川右岸の台地上には縄文時代の崩野くえんの遺跡がある。古墳時代では串間市との境、霧島きりしま(三六九メートル)の山頂に三本松さんぼんまつ古墳(円墳)潟上かたがみ川の右岸にはむき出しとなった二基の箱式石棺などがあり、これらは合せて昭和一一年(一九三六)南郷村古墳の名称で県の史跡に指定された。中世には島津庄寄郡のうちの飫肥南おびなん郷に含まれ、日向灘に面した外浦湊は日明貿易船など大陸交易船の寄港地として栄えた。戦国時代には飫肥進攻を企てる伊東氏と島津氏との間で地内目井めい城などをめぐって激しい攻防が繰返された。


南郷町
なんごうちよう

面積:三九・六七平方キロ

大崎おおさき耕土の南東部、遠田郡南端にある。東は桃生ものう河南かなん町、南は同郡矢本やもと町・鳴瀬なるせ町、西は志田郡鹿島台かしまだい町、小牛田こごた町、北は涌谷わくや町と接する。中心は東北本線鹿島台駅の東方約五キロ、石巻線涌谷駅から南約六キロのところに位置。大柳おおやなぎ地区で国道三四六号が横切り、三陸海岸と仙台を結ぶ。ほか主要地方道石巻いしのまき―鹿島台―大衡おおひら線、町を南北に結ぶ県道鳴瀬―南郷線や同涌谷―三本木さんぼんぎ線が通る。南北一一・二五キロ、東西七・二五キロと南北に長い平坦地である。最高点は町の南東部にある小島こしま山の二四・八メートルで、ほかはほとんどが標高四―六メートルほどの低地の水田地帯。鳴瀬川(四釜川)江合えあい川・出来でき川の溢水が滞留する低湿地であったため、江戸時代には東部の旭山あさひやま丘陵に沿って北から名鰭なびれ沼・なが沼・竿指さおさし沼・うち沼・南長沼などの沼が点在していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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