朝日日本歴史人物事典 「南陽紹弘」の解説
南陽紹弘
生年:生年不詳
近世初期の琉球の臨済宗の僧侶。南陽紹弘禅師は法号で,俗に北谷長老と呼ばれる。沖縄本島中部の北谷の生まれで,13歳で出家し19歳で修行のため日本に渡った。方々を転々としたのち,奥州松島(宮城県)の瑞巌寺で学び,妙心寺派の宗統をはじめて琉球に伝えた。帰国後の大半の人生を郷里北谷で送り,病気や病害虫に悩む村人のために祈祷を行ってこれを除去するなど生き仏と崇められた。没後,北谷の長老山の墓に葬られ,毎年村人により墓前祭が行われた。
(高良倉吉)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報