単物(読み)ヒトエモノ

デジタル大辞泉 「単物」の意味・読み・例文・類語

ひとえ‐もの〔ひとへ‐〕【単物】

裏をつけずに仕立てた和服類の総称。特に、裏をつけない長着初夏から初秋にかけて着る。 夏》地下鉄の青きシートや―/汀女
室町時代素襖すおう直垂ひたたれをいった語。

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精選版 日本国語大辞典 「単物」の意味・読み・例文・類語

ひとえ‐ものひとへ‥【単物】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 裏地のついていない和服の総称。絹地を普通とし、夏とその前後に着る。ひとえぎぬ。ひとえごろも。ひとえ。⇔袷物(あわせもの)。《 季語・夏 》
    1. [初出の実例]「いつしかに端午のせつに成にけり あたらしくして着るひとへもの」(出典:俳諧・誹諧独吟集(1666)上)
  3. ( 裏地のないことを特色としたところから ) 素襖(すおう)直垂(ひたたれ)をいう。
    1. [初出の実例]「亀若丸新調単物、絵〈松竹〉薄を散也、小袖紅梅」(出典:教言卿記‐応永一三年(1406)正月一日)

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