印象広告(読み)いんしょうこうこく(その他表記)impression advertising

日本大百科全書(ニッポニカ) 「印象広告」の意味・わかりやすい解説

印象広告
いんしょうこうこく
impression advertising

人の感性に訴える印象度の強い広告をいう。説得広告対置するもので、すなわち、説得広告が商品の説明、説得に重点を置き、ただちに販売に結び付けようとするのに対し、印象広告は商品や企業について好ましいイメージを消費者に植え付け、その知名度親近感を高めることによって究極的に販売の促進を図ろうとする。前者がハード・セルhard sellの広告とすれば、後者はソフト・セルsoft sellの広告といえよう。近年の日本のテレビ広告ではこの印象広告が支配的な潮流となっている。これは、テレビ広告の放映時間がきわめて短くて説得に適さないことと、日本人の国民性が感性的表現を好むためと解される。ただし印象広告とよぶよりも、最近はイメージ広告、フィーリング広告、ムード広告、モノばなれ広告などとよぶのが一般的である。

豊田 彰]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「印象広告」の意味・わかりやすい解説

印象広告
いんしょうこうこく

人間の感性に訴えて企業イメージや商品ブランドについて好ましい記憶をもたせ,それを持続させるための広告手法。説明,説得によって直接的に商品を売ろうとする説得広告の対。狭義には商品名印象の累積効果をねらった「商品名印象広告」をさすこともある。ただ,その商品名も好ましい印象とともに想起されることが広告の目的なので,継続的に企業や商品のイメージアップをはかることが望まれる。テレビのスポットCMは,映像的な印象とともに商品名告知を頻繁に露出できることから,最も印象広告的であるといわれる。

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