家庭医学館 「卵管がん」の解説
らんかんがん【卵管がん Cancer of the Fallopian Tube】
日本での卵管がんの発生頻度は、内性器がん全体のうちの0.3~0.4%で、その発生年齢は33~71歳にわたり、平均で49.4歳です。
不妊症との関連が密接で、おもに片側の卵管におこります。
大きさは、鶏卵大~ガチョウの卵よりやや大きいくらいで、病理組織学的には、ほとんどが腺(せん)がん(がんとはの「悪性腫瘍のいろいろ」のがん腫と肉腫に大別される)です。
[検査と診断]
卵管がんを、手術前に診断することはきわめて困難ですが、黄色帯下(たいげ)(おりもの)、不正性器出血、下腹部痛、子宮付属器の腫瘤(しゅりゅう)など、自覚症状や医師の診察所見に留意する必要があります。
検査は、子宮内膜細胞診(しきゅうないまくさいぼうしん)、組織検査、腹水(ふくすい)細胞診、子宮卵管造影、超音波断層法、内視鏡、骨盤動脈(こつばんどうみゃく)撮影法などを行ないます。
しかし、手術前に確定診断されることはまれで、摘出(てきしゅつ)した細胞の病理組織学的検査で、原発性卵管がん(卵管から発生したもの)か、卵巣(らんそう)がん(「卵巣がん」)や子宮体がん(「子宮体がん」)からの続発性(波及したもの)かが決定されます。
[治療]
進行がんになることが多く、予後はきわめて不良ですが、卵巣がんと同様の治療(卵巣がんの「治療」)を積極的に行なうべきです。