日本歴史地名大系 「原田井」の解説 原田井はらだい 大阪府:豊中市原田村原田井猪名(いな)川沿いの川辺(かわべ)郡桑津(くわつ)村(現兵庫県伊丹市)に取水口をもち、東へ五〇町余を流れる灌漑用水路。「猪名川表ニ有之字九名井と唱候九ケ村ヘ相掛リ養水井御座候」(田辺家文書)と九ヵ村をうるおしたので九名井(くめい)とも称され、近世のはじめ原田村の「生血」といわれていた(野口家文書)。設置は中世にさかのぼり、寛正二年(一四六一)久米井(くめい)用水相論が起きている(→垂水西牧)。元禄三年(一六九〇)には、原田郷八ヵ村と川辺郡岩屋(いわや)村(現伊丹市)との間に原田井をめぐって水論が起こっている(田辺家文書)。酒井(さかい)溝(酒井村)、森本(もりもと)溝(森本村)、尻(しり)なし溝・石(いし)うそ溝・横長(よこおさ)溝・梶(かじ)ヵ本(もと)溝(岩屋村)、貝原(かいばら)溝(原田郷・岩屋村)、うそ田(うだ)溝・油田(あぶらだ)溝・長田(ながた)溝・内瀬(ないぜ)溝・長円寺(ちようえんじ)溝(原田郷)の一二枝溝をもつ。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by