日本歴史地名大系 「垂水西牧」の解説
垂水西牧
たるみのにしまき
〔春日社領垂水西牧の成立〕
当牧は寿永二年(一一八三)時の藤原氏氏長者近衛基通から奈良春日社に寄進された。その内容は社家の下知のもとに年貢雑事を春日社に勤仕するというもので(同年六月八日「近衛基通家政所下文案」春日大社文書)、年貢分だけを同社に寄進した垂水東牧とは異なっていた。文面からは当牧のすべてが春日社に寄進されたかにみえるが、年貢雑事の一部であってその後も近衛家の春日詣の屯食や饗などを負担しており(「猪隈関白記」正治二年正月一〇日条など)、建長五年(一二五三)一〇月二一日の近衛家所領目録(近衛家文書)にも、「寄進神社仏寺所々 春日社 摂津国垂水
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報