原田郷(読み)はらだごう

日本歴史地名大系 「原田郷」の解説

原田郷
はらだごう

現原田地域にあった国衙領で、西郷都万つま(現都万村)むら庄などと境を接していたと推定される。のち原田村ともいう。応安二年(一三六九)二月三日の前肥前守某寄進状写(隠岐国代考証)に原田郷とみえ、郷内にある国分こくぶん寺内四王しおう寺の田地六段が本主三代の間断絶しているとして改めてこれを国分寺に寄進している。本主三代はこれを寄進した守護をさすと考えられ、寄進が行われたのは鎌倉末期のことであったと推定される。明徳二年(一三九一)四月一〇日にも再度この寄進が確認されている(「前駿河守義時寄進状写」同書)。こうした経過にもよるのであろう、戦国期に至り国分寺が衰退するなかで国分寺境内にあった四王寺は独立して原田郷内に再建された(慶長九年「四王寺棟札裏書」国分寺所蔵など)


原田郷
はらだごう

奈良県天川てんかわ村の大峯山おおみねさん寺が所蔵する梵鐘銘に「遠江国佐野郡原田郷 長福寺鐘」とみえる。鐘銘には天慶七年(九四四)六月二日の年紀がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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