原田種直(読み)はらだたねなお

改訂新版 世界大百科事典 「原田種直」の意味・わかりやすい解説

原田種直 (はらだたねなお)

源平内乱期の武将生没年不詳。岩戸少卿,大蔵大夫と号す。筑前原田,岩戸を本拠とし筥崎油座や貿易港今津を握る北九州随一の有力府官。平家方人として福原遷都に後白河院を守護し,1181年(養和1)大宰権少弐となり平家の鎮西支配の一翼を担う。平家の大宰府落ちに2000騎をもって供奉し,菊池隆直,源範頼と戦うなど活躍したが,平家滅亡後降伏。のち許され怡土郡に住した。
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朝日日本歴史人物事典 「原田種直」の解説

原田種直

生年:生没年不詳
平安末期の武将。岩戸少卿・大蔵大夫と称す。父は大蔵種平。妻は平頼盛の娘という。筑前国(福岡県)の所領3700町と伝えるが定かでない。原田荘・岩戸郷を本拠として,博多筥崎の油座を押さえ貿易港今津を支配した有力府官。大宰大弐平清盛による保元3(1158)年の宇佐宮式年造営のとき,大宰大監として肥後国の拒捍使(税を徴収するために派遣される官人)を務め,福原遷都(1180)に際しては後白河法皇を守護し,治承5(1181)年には大宰権少弐に任官。平家の鎮西支配の一翼を担った。平家一門を大宰府に迎え,菊池隆直,源範頼と戦うなど活躍したが,文治1(1185)年壇の浦の戦で平家が滅亡したとき,源氏に降った。のち許されて,所領は没収されたが,筑前国怡土郡に住したと伝える。<参考文献>正木喜三郎『大宰府領の研究

(正木喜三郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「原田種直」の解説

原田種直 はらだ-たねなお

?-1185 平安時代後期の武将。
筑前(ちくぜん)(福岡県)岩戸,原田を拠点とした有力大宰府府官。治承(じしょう)5年(1181)大宰権少弐(だざいのごんのしょうに)となり,平氏の九州支配をささえる。源範頼(のりより)の軍と葦屋浦でたたかい,元暦(げんりゃく)2年2月1日戦死した。降伏して,ゆるされたともつたえられる。本姓は大蔵。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の原田種直の言及

【バーラタバルシャ】より

…インド古来よりの〈インド〉の呼称。サンスクリットで〈バラタ族の国土〉を意味し,インド人は現在も自国のことをこのように呼んでいる。インドの切手に英語のIndiaとともに,デーバナーガリー文字でバーラトと印刷されているが,これはバーラタバルシャの略で,正式国名ともなっている。…

※「原田種直」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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