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友愛社会 ゆうあいしゃかい

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知恵蔵2015の解説

友愛社会

鳩山由紀夫民主党代表が提唱する新たな社会像。一人ひとりを多様な個性を持つかけがえのない存在と認めた上で、互いに助け合って共に生きる「自立と共生の社会」を「友愛社会」と呼び、構築すべき社会の姿だと主張した。その背景には、経済成長国家目標としてきた中央集権型社会や、米国発のグローバリズムという市場原理主義が行き過ぎ、本来人間のためにあるはずの制度が人間を犠牲にしているという認識がある。そもそも「友愛」は、鳩山由紀夫の祖父である鳩山一郎元首相が政治信条として掲げてきたもので、そのルーツ汎ヨーロッパ主義を唱えたオーストリアの政治学者、クーデンホーフ・カレルギー伯の主張にある。彼は、人間にとって重要な自由と平等が原理主義に陥ると人間の尊厳を冒すことにもなるとして、友愛という精神的絆(きずな)によって両者の均衡を図ることが必要だと考えた。この友愛論を現代的な文脈でとらえ直したもので、その自立と共生の範囲は国内だけでなく国際社会での関係も視野に入れている。首相就任が有力となった2009年8月に雑誌に寄稿した鳩山論文では、「友愛」の現代的政策表現として地域主権国家の確立と東アジア共同体の創造を政治目標に掲げており、これが海外メディアで紹介されて反響を呼んだ。

(原田英美  ライター / 2009年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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