取出(読み)とりで

精選版 日本国語大辞典 「取出」の意味・読み・例文・類語

とり‐で【取出】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ものなれないこと。しはじめたばかりであること。また、その人。かけだし。しんまい。
    1. [初出の実例]「漸漸取出(トリデ)の男は、ふられて其儘捨ず」(出典浮世草子好色二代男(1684)一)
  3. 人気の高まっていること。売り出していること。売出し。
    1. [初出の実例]「其比取出の男達(だて)唐犬はなれ駒にまさるとて、虎の七内熊の武兵衛といへる二人」(出典:浮世草子・嵐無常物語(1688)上)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「取出」の解説

取出
とりで

[現在地名]新宮市新宮

宇井野地ういのじの東にあり、中取出なかとりでとその東の端取出はたとりでに分れる。近世初期に熊野を領した堀内氏の砦があったと伝える(続風土記)。江戸時代初期頃の新宮古図(新宮木材協同組合蔵)には地名はみえないが、当地付近には在家があるほか奉公人が多く住み、百姓・町家・侍屋敷もあった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の取出の言及

【要害】より

…防御・戦闘性に富んでいること,またはそうした場所を表す語で,〈要害の地〉〈要害堅固〉などと用いるが,中世の城郭用語としては,ある種の城を指す場合と,城内の特定部分を指す場合とがある。前者は砦(取出),堡などと同じく,居城や根小屋に対置して,臨時に詰める戦闘本位の城郭を呼ぶ場合に用いる。後者は〈城中ノ要害〉(《難波戦記》),〈取出の要害〉(《家忠日記》)のように,城の内部でとくに戦闘機能の高い区画を指した。…

※「取出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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