取寄せる(読み)トリヨセル

デジタル大辞泉 「取寄せる」の意味・読み・例文・類語

とり‐よ・せる【取(り)寄せる】

[動サ下一][文]とりよ・す[サ下二]
注文して送らせたり、持って来させたりする。「資料郵便で―・せる」「食事部屋に―・せる」
手にとって近くに寄せる。手もとへ引き寄せる。「散らかった書類を―・せる」
人を近くに来させる。引き取る。
「さる天神を…名指して―・する」〈浮・一代男・五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取寄せる」の意味・読み・例文・類語

とり‐よ・せる【取寄】

  1. 〘 他動詞 サ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]とりよ・す 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙
  2. 物を手許に引き寄せる。
    1. [初出の実例]「手まさぐりに、かいぐりをあしたてて、二つにして、木をつくりたるをのこの、片足に尰(こひ)つきたるにになはせて、もていでたるをとりよせて」(出典蜻蛉日記(974頃)上)
  3. 持ってこさせる。また、注文して送ってよこさせる。
    1. [初出の実例]「人めして、御琴とりよせてひかせたてまつり給」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
    2. 「純一が国にゐるとき取(ト)り寄(ヨ)せた近代美術史に、ナナといふ題のマネエの画があって」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉四)
  4. 人を近くに呼び寄せる。人を近づける。手もとに引き取る。また、人を迎え入れる。
    1. [初出の実例]「じはふなる人のゆき所あるまじきをとて、とりよせもてかしづき給は」(出典:源氏物語(1001‐14頃)真木柱)
  5. 同じ所に寄せ集める。
    1. [初出の実例]「目鼻一所にとりよせたるやうにて、世の人にも似ぬありけり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)九)
  6. 攻め寄せる。
    1. [初出の実例]「近江のくにより加勢を憑み〈略〉大柿の城近々と取寄せ候き」(出典:信長公記(1598)首)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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