取締(読み)とりしめ

精選版 日本国語大辞典 「取締」の意味・読み・例文・類語

とり‐しめ【取締】

〘名〙 (「とりじめ」とも)
① (多く「とりしめ(も)なし」の形で用いられる) しまり。まとまり。とりとめ。とらえどころ。
※敬斎箴講義(17C後)「外形自惰落なれば、内心もぐったりとして、無取締(シメ)者ぞ」
浮世草子好色一代男(1682)三「無理まじりに歌の三味線の只やかましくなって、取じめなく」
鳩翁道話(1834)三上家内の取締(トリジメ)をしてくれるものがないと」

とり‐し・める【取締】

[1] 〘自マ下一〙 とりし・む 〘自マ下二〙
① まとまる。しまりがある。規律がある。
※俳諧・青根が峯(1698)同門評判「全躰とりしめたる血脉なし」
② 力をこめてこぶしをにぎる。強く手に力を入れる。
※うもれ木(1892)〈樋口一葉〉一「是れ骨までの恨みぞと、取りしむる右の腕手首ぶるぶると顫へて」
[2] 〘他マ下一〙 とりし・む 〘他マ下二〙 管理する。統治する。監督する。〔和英語林集成初版)(1867)〕

とり‐しまり【取締】

〘名〙
① 取り締まること。管理。監督。とりしめ。
咄本・無事志有意(1798)田舎者「じっていになりおったらとりしまりの用心にも呼事もあろふ」
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一「さる銀行の取締(トリシマリ)歟」

とり‐しま・る【取締】

[1] 〘自ラ四〙 精神品行態度服装などにゆるみがなくなる。ひきしまる。
※交隣須知(18C中か)四「迂濶 トリシマラスシテ ヒトノ ココロ イレヲ シリマセンヌ」
[2] 〘他ラ五(四)〙 厳しく治める。管理する。監督する。
寧馨児(1894)〈石橋思案〉一三「此鉱山を監督(トリシマ)るに適当なる者を出張せしめん事を請はしめたるに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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