口合(読み)クチアイ

デジタル大辞泉 「口合」の意味・読み・例文・類語

くち‐あい〔‐あひ〕【口合(い)】

互いの話がよく合うこと。あいくち
間に立って口をきき、仲介をすること。また、その人。仲人
肝煎きもいり―ある内に、親元確かの判を取り」〈浄・傾城酒呑童子
しゃれ。地口じぐち
「人の娘に怪我さして―所ぢゃあろまいがな」〈滑・膝栗毛・七〉
舌ざわり。口あたり。
「いかに石部も柔らかに、山屋とうふの―にて」〈洒・一事千金〉
話のもっていき方。
あなたは以前から、我等がそやしつけて―覚えてゐるなれば」〈浮・禁短気・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「口合」の意味・読み・例文・類語

くち‐あい‥あひ【口合】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 互いの話がよく合うこと。また、そのようなもの言い。あいくち。〔俚言集覧増補)(1899)〕
  3. 間に立って口をきき、保証をすること。仲介にたつこと。また、その人。保証人。仲人。
    1. [初出の実例]「又一貫五十文、らうそくや口あいの代」(出典:山科家礼記‐文明九年(1477)五月二六日)
  4. 語呂を合わせた言葉のしゃれ。地口(じぐち)
    1. [初出の実例]「しただる樽の生醤油。花車様さらば後に青菜のひたし物と。口合たらだら立帰る」(出典:浄瑠璃・心中天の網島(1720)上)
  5. くちあたり(口当)
    1. [初出の実例]「いかに石部もやはらかに、山屋とうふの口あひにて」(出典:洒落本・一事千金(1778)序)
  6. 話のもっていき方。口のきき方。
    1. [初出の実例]「我等がそやしつけて口あい覚へてゐるなれば、千少の口明此鼻にさせてくれ」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)三)

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世界大百科事典(旧版)内の口合の言及

【言語遊戯】より

…〈humanité〉(人間性)と〈animalité〉(獣性)を合成した〈humanimalité〉(獣人性)というフランス製のカバン語もある。(11)地口 〈秀句〉〈口合(くちあい)〉〈洒落(しやれ)〉ともいい,〈言いかけ〉〈掠(かす)り〉〈捩(もじ)り〉なども同様の技巧をさす。英語のパンpunにあたる。…

【地口】より

…成語に語呂を合わせたことばのしゃれ。京坂では口合(くちあい)といった。〈一富士二鷹三茄子(なすび)〉の諺をもじって,〈雪見に出たか三谷(さんや)舟〉という類。…

※「口合」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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