口移・口写(読み)くちうつし

精選版 日本国語大辞典「口移・口写」の解説

くち‐うつし【口移・口写】

〘名〙
① 飲食物を自分の口から相手の口へ移し入れること。
※歌舞伎・成田山分身不動(1703)三「水を含み、口移(クチウツ)し飲ますれば」
② 水などを、(おけ)などに口をつけて飲むこと。
茶話(1915‐30)〈薄田泣菫〉貧民視察「井戸側(ゐどばた)釣瓶(つるべ)から口移(クチウツ)しにがぶがぶ水を飲んでゐた」
③ 言葉で直接に伝えること。口伝え
※平中(965頃)三六「ただくちうつしに、男、誰が秋にあひて荒れたる宿ならむ我だに庭の草は生ほさじ、と言ひて」
④ その人の口調や話の内容をそのまま言うこと。そのままの節回し
※虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初)「おなじやうに、くちうつしに道具ほめて」
※羽なければ(1975)〈小田実〉一三「『人民』、『権力』いうようなことばは田村少年のほうから口移しで来たんでっしゃろけど」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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