精選版 日本国語大辞典 「口移・口写」の意味・読み・例文・類語
くち‐うつし【口移・口写】
〘名〙
① 飲食物を自分の口から相手の口へ移し入れること。
※歌舞伎・成田山分身不動(1703)三「水を含み、口移(クチウツ)し飲ますれば」
② 水などを、桶(おけ)などに口をつけて飲むこと。
③ 言葉で直接に伝えること。口伝え。
※平中(965頃)三六「ただくちうつしに、男、誰が秋にあひて荒れたる宿ならむ我だに庭の草は生ほさじ、と言ひて」
④ その人の口調や話の内容をそのまま言うこと。そのままの節回し。
※虎明本狂言・磁石(室町末‐近世初)「おなじやうに、くちうつしに道具ほめて」
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