2004年に登録された世界遺産(文化遺産)。中国の吉林省集安市及び遼寧省桓仁満族自治県周辺に分布する、高句麗王国前~中期の遺跡である。高句麗は、紀元前37年頃に五女山城(卒本城)を築いて都城として建国された。最盛期には中国東北部から朝鮮半島の北半分を領土とした国であり、また、百済、新羅とともに朝鮮半島の三国時代を構成した国である。五女山城や国内城(集安市)、丸都山城(同)の王国最初期に建設された3つの都市遺跡と、好太王(広開土王)碑、将軍塚、大王陵などの王陵、舞踊塚、角抵塚、散蓮花塚、三室塚、通溝四神塚などの貴族墓が世界遺産として登録された。北朝鮮は2000年頃、画家の平山郁夫の支援を受けて、同国内の高句麗古墳群を世界遺産とするようにユネスコに働きかけたが、中国はこれに反対し、これに対抗して中国国内の高句麗遺跡と古墳群の世界遺産への登録申請を行った。こうした経緯から、2004年に両国の高句麗関連の遺跡・古墳が同時に世界遺産に登録されることになった。◇英名はCapital Cities and Tombs of the Ancient Koguryo Kingdom