古市方形墳(読み)ふるいちほうけいふん

日本歴史地名大系 「古市方形墳」の解説

古市方形墳
ふるいちほうけいふん

[現在地名]奈良市古市町

旧奈良市街の東南、鹿野園ろくやおん台地が平野に向かって急傾斜する先端部に位置する。昭和三九年(一九六四)発掘調査された。墳丘は土取りのためかなり損壊しているが、一辺約二七メートル、高さ三メートルの截頭形と推定された。墳丘の全面には人頭大の葺石が施され、墳頂部には円筒埴輪を直径約一〇メートルの円形に並べ立てたらしい。形象埴輪として家形や盾の破片が検出されている。内部主体は並行する二つの粘土槨で、西槨は粘土塊のみを遺存し、遺物はまったく発見されず、東槨も中央部は破壊されていたが、木棺痕跡副葬品を検出した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android