古用瀬村(読み)ふるもちがせむら

日本歴史地名大系 「古用瀬村」の解説

古用瀬村
ふるもちがせむら

[現在地名]用瀬町古用瀬

用瀬村の南方、千代川西岸の佐治さじ安蔵あぞう両谷の間の枝谷の口に位置する。「因幡志」に「用瀬は旧き里の名にて此地を以て本村とす、中古山名家の旧臣此地を領知す、用瀬備前守と称せしも地名を以て氏とせるなり、天正中没落、其子孫今の用瀬に転住して新に聚楽をなす故に此里を古用瀬と称す」とみえ、用瀬備前守の居城松茸尾まつたけお城跡があり、村中に殿村とのむらという字(集落)があるのは城下名残と記す。殿村のほかにはら河崎かわさきの二集落がある。

建武五年(一三三八)四月一日の年紀を有する「因幡国野坂郷松上大菩薩」の鐘銘(因幡民談記)に「用瀬大工賀茂家守」の名がみえ、現船岡ふなおか殿の多宝とののたほう寺蔵の鐘銘には康正三年(一四五七)一〇月一九日の年紀とともに「用瀬地下金屋 大工藤原重家」と刻まれており、用瀬に鋳物師が居住していたことが知られる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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