古病理学(読み)こびょうりがく(その他表記)paleopathology

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「古病理学」の意味・わかりやすい解説

古病理学
こびょうりがく
paleopathology

古生物や過去の人類の病理現象を研究する科学。しばしば化石には傷痕病変痕跡が見られる。恐竜の例をあげると,トリケラトプスの角,首のひだ傷跡や病変,顎の骨折の例や,アパトサウルス類の肋骨が折れたあとに仮骨が形成されたり,新しい骨が形成されて不完全に癒着した例が知られている。カモノハシ恐竜類(アナトサウルス)では,左上腕骨が斜めに骨折して化腫性骨膜炎を併発した証拠もある。また,アパトサウルス類の椎骨の骨髓炎の例や,ステゴサウルスの皮骨板,カンプトサウルスの腸骨に大きな壊疽の洞も認められている。腫瘍の証拠がアパトサウルス類の尾椎に見られる標本や角竜の頭骨に生じた多発性骨髓腫の例もある。中生代爬虫類新生代の哺乳類,旧石器時代,エジプト時代,現代の人類で変形性脊椎炎を立証する標本も知られている。無脊椎動物の貝殻にも,しばしば病変の証拠が認められる。動物社会のなかで病変を引き起こした原因,機構,影響などが追究されている。

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最新 地学事典 「古病理学」の解説

こびょうりがく
古病理学

paleopathology

古生物や古人類の病理現象と,そこからの栄養状態・生活環境を研究する分野。化石を研究対象とすることから,骨・歯に関する報告が多い。骨折痕・骨腫・骨髄炎・関節炎・くる病・歯牙腫・奇形臼歯,恐竜の骨内気嚢痕から呼吸感染症,古人類では栄養失調が原因の長骨端の成長遅延のハリス線や多孔質になった眼窩がんか上壁のクリブラ・オルビタリアなど。貝化石では,他の生物による寄生・攻撃による宿主反応や,外套いとう膜の損傷によって起こる殻の変形などがある。

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