日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンプトサウルス」の意味・わかりやすい解説
カンプトサウルス
かんぷとさうるす
camptosaur
[学] Camptosaurus dispar
北アメリカやヨーロッパのジュラ紀後期、約1億5500万年~1億4500万年前の地層から産出した草食恐竜。分類学上は鳥盤目鳥脚(ちょうきゃく)類(亜目)アンキロポレクス類Ankylopollexiaに属する。全長約6メートルで、普通は二本肢(あし)で歩いたが、必要に応じ四本肢となることができた。口の前部には、上にも下にも歯がなく、あごの前部は鳥のようなくちばしをつくり、物をかみ切るのに有効であった。多数のそしゃく用の歯と、そしゃく面積を広げるための長い頭部をもつ。前肢に5本の機能指をもつが、第1指は小さいながらスパイク(突起)状。後肢の4本の機能指のうち第1指は退化した。歯がトカゲに似た点、くちばしが角質の点、手と足のつくりなどがイグアノドンIguanodonと似る。カンプトサウルスの仲間は、それぞれの頬(ほお)に機能的な歯列をもった最初の鳥脚類といわれる。組立て骨格は、日本では東京都上野の国立科学博物館や鹿児島文化センターなどにある。
[小畠郁生]