トリケラトプス(読み)とりけらとぷす(英語表記)triceratops

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トリケラトプス」の意味・わかりやすい解説

トリケラトプス
とりけらとぷす
triceratops
[学] Triceratops horridus

北アメリカの白亜紀後期、約6805万年~6550万年前の地層から産出した草食恐竜。鳥盤目周飾頭(しゅうしょくとう)類(亜目)角竜類(つのりゅうるい)(下目)ネオケラトプス類(新角竜類)ケラトプス科Ceratopsidaeカスモサウルス亜科Chasmosaurinaeに属する。四本肢(あし)で全長6~9メートル、体重8.5トン。目の上に1本ずつの長い角と、鼻の上に1本の短く太い角をもっていた。頭の半分が頸(くび)の上に伸びた大きなフリル(ひだ飾り)で占められている。フリルはディスプレー器官としての役割もあったといわれる。敵を突き倒すために、長い二つの角を前方に向け、発達した頸の筋肉を使って頭を下げ、力強く突進したことが想像される。角をもった恐竜の頭骨には、多発性骨髄腫(しゅ)という骨髄悪性腫瘍(しゅよう)の証拠と考えられる骨の孔(あな)がしばしば残されている。強い肢と短く広い足をもち、臀部(でんぶ)の高さは約2メートル半。白亜紀の最後まで生存した恐竜である。

[小畠郁生]

『佐藤哲、ネイチャー・プロ編集室構成・文『恐竜の行動とくらし6 トリケラトプス――角竜は巨大な角を何につかっていたのか』(1995・偕成社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トリケラトプス」の意味・わかりやすい解説

トリケラトプス
Triceratops

爬虫類鳥盤目周飾頭亜目ケラトプス科に属する有角恐竜。体長7~9m。体重5~9t。頭骨の後部が胴を保護するように広がり,前方に向けて3本の角を突出しているので三角竜ともいう。姿は大変いかめしいが,草食性。四脚歩行。化石は北アメリカ西部の上部白亜系から産出する。

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