1986年に登録されたシリアの世界遺産(文化遺産)。アレッポは、首都ダマスカスの北約300km、トルコ国境に近い内陸高原にあるシリア第2の都市。ユーフラテス川と地中海の間に位置する交易の要衝で、紀元前20世紀にはヤムハド王国の首都であった。以後、ヒッタイト、アッシリア、アケメネス朝ペルシア、セレウコス朝シリア、ローマ帝国、東ローマ(ビザンチン)帝国などの支配を経て、イスラムの支配下に入った。現在残るアレッポ城はアラブ式の城塞で、12世紀の十字軍の時代にはアイユーブ朝の前線基地となり十字軍を迎え撃ち、13世紀にはモンゴル帝国の猛攻にも耐え抜いた。市内には、この城塞のほか、国立博物館、グレートモスク、17世紀の隊商宿のハーン・アル・ワジール、オリエント最長といわれるスーク(市場)などが残っている。しかし2011年以降のシリア騒乱によって、2012年9月、スークで戦闘が起こり、商店の約1000軒が焼失。2013年4月にはグレート・モスクのミナレット(光塔)が倒壊。2013年に危機遺産リストに記載された。◇英名はAncient City of Aleppo