スーク(読み)すーく(英語表記)Josef Suk

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スーク」の意味・わかりやすい解説

スーク
Suk, Josef

[生]1929.8.8. チェコスロバキアプラハ
[没]2011.7.6. チェコ,プラハ
チェコのバイオリニスト,指揮者。アントニン・ドボルザーク曾孫にあたり,プラハ音楽院長を務めた祖父ヨゼフ・スークも名バイオリニストとして知られた。プラハ音楽院でヤロスラフ・コチアンの指導を受け,1950年に卒業。1951~53年プラハ音楽アカデミーで学んだ。その間の 1940年にデビュー,1951~52年プラハ弦楽四重奏団一員として活動し,1952~90年スーク・トリオ,1974~2000年スーク室内管弦楽団を率いた。1961年にチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の独奏者として迎えられ,その後独奏者として幅広く活躍した。ビオラ奏者としても知られた。2002年レジオン・ドヌール勲章を授与された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「スーク」の意味・わかりやすい解説

スーク((1874―1935))
すーく
Josef Suk
(1874―1935)

チェコの作曲家、バイオリン奏者。音楽家の家系の一人で、同名の父からピアノ、バイオリンの手ほどきを受ける。1885年プラハ音楽院に入学、ベンネウィツAntonin Bennewitz(1833―1926)にバイオリン、ドボルザークに作曲、ウィーハンHanš Wihan(1855―1920)に室内楽を学ぶ。ウィーハン率いるボヘミア(チェコ)弦楽四重奏団に第2バイオリン奏者として参加、93年から4年間に4000回以上の演奏活動を行った。98年にはドボルザークの娘オティリエと結婚。1922年からプラハ音楽院の教授となり、その間4期院長も務めた。近代チェコ音楽の中心的存在であり、弦楽セレナード変ホ長調(1892)ほか多数の室内楽がある。なお、同名の現代バイオリン奏者は孫にあたる。

[船山信子]


スーク((1929―2011))
すーく
Josef Suk
(1929―2011)

チェコのバイオリン奏者。大作曲家ドボルザークの曽孫(そうそん)にあたる。生地プラハの芸術アカデミーで学ぶ。プラハ弦楽四重奏団、スーク三重奏団で室内楽奏者として名をあげたのち、1959年に独奏者として世界一周の楽旅を行い、成功を収めた。このとき初来日。以来チェコを代表するバイオリン奏者として知られた。またビオラ奏者としても一流であり、スメタナ弦楽四重奏団としばしば共演した。その演奏は華麗さを追求せず、楽器のもつ叙情性をあくまでも端正によみがえらせるのを特色としている。

[岩井宏之]

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