朝鮮の高麗・李朝時代,《李朝実録》や国家の重要文献を保存するために設置された書庫。1227年(高麗の高宗14),王宮内の史館と慶尚北道の海印寺に《明宗実録》を分置したことが内史庫・外史庫分化の起源である。李朝初期の史庫は史館と忠州にあったが,1445年,さらに保存に万全を期すため,王宮内の春秋館に内史庫,地方に三つの外史庫(忠州,星州,全州)がおかれた。1592年,豊臣秀吉軍の侵略で3史庫が焼かれ,かろうじて全州史庫所蔵本のみが戦火を免れた。戦火終息後の1606年,外史庫を要害の地に移して増設することになり,江華島の摩尼山(のち鼎足山),平安北道の妙香山(のち全羅北道の赤裳山),慶尚北道の太白山,江原道の五台山の4外史庫と内史庫に,全州史庫本をもとに復元した《李朝実録》が分置された。この5史庫は李朝末期まで続いたが,1910年の日韓併合で廃止され,朝鮮総督府の命令で所蔵文献が中央に集められた。
執筆者:吉田 光男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…はじめ編纂事業は高麗の制度を引き継いで春秋館が行っていたが,のちに特設の実録庁に移った。《実録》ははじめ手写本1部を作成して忠州の史庫に保管するのみであったが,1439年の全州・星州史庫増設後,春秋館の内史庫と合わせ,4部の手写本を作成して分置した。のちに梁誠之の献議に従い,清書本1部と活字印刷本3部を作成して4史庫に分置した。…
※「史庫」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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