実録(読み)じつろく(英語表記)Shi-lu; Shih-lu

  • 実録 shí lù

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

中国の皇帝一代のを記した編年体 (→年代記 ) の記録。皇帝側近の起居注官が毎日記録する日記体の記録 (起居注) を史官が整理し,これらをもとに皇帝の死後,その一代記として編纂。起居注は古くからあったといわれるが,実録の体裁代頃から整えられたようである。しかし,清両朝の実録が現存するだけである。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

天皇や皇族没後、その生涯足跡を確かな資料に基づいて記した年代記。時の天皇に献上するために作られる。奈良時代から平安時代前期、中国の例にならって「日本書紀」や「日本文徳天皇実録」など6部の六国史(りっこくし)が作成された。明治以降は孝明、明治、大正の各天皇実録が作られている。

(2014-09-09 朝日新聞 朝刊 3総合)

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世界大百科事典 第2版の解説

中国,皇帝一代の編年体記録。古く後あるいは魏晋南北朝のころにも作られているが,体裁のととのったのは唐・時代で,天子言行を記録した起居注を主材料とし,これに諸官庁の記録類を加えて皇帝の没後に編集した。宋以後,遼・金・元などの異民族の王朝でも,同様に実録の編集につとめ,清末にいたった。実録は歴代王朝の正史の主要材料になっているので,史料としてきわめて重要なものであるが,元来宮廷の秘録ということで民間には流布を許さず,現在では宋の《太宗皇帝実録》のほか,明・清2朝の実録が残っているだけである。

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大辞林 第三版の解説

事実をありのままに記録したもの。
「実録物もの」の略。
中国で、皇帝一代の事績を記した編年体の記録。日本でも中国に倣った「三代実録」などがある。

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙
① (━する) 実際にあったことをありのままに記録すること。また、実際に検分して記録すること。
※続日本紀‐和銅五年(712)乙酉「凡国司、毎年実録官人等功過行能并景迹皆附考状送式部省」 〔漢書‐司馬遷伝賛〕
② 実際にあったことをそのまま記録した文書や本。事実の記録。
※文華秀麗集(818)中・賦得司馬遷〈菅原清公〉「実録伝無墜。洪漪逝不停」
※読本・椿説弓張月(1807‐11)後「参考に諸本の異同を挙て、実録(ジツロク)所見なしといへり」
③ 実際にあったこと。実話。
※滑稽本・和合人(1823)初「さうよ、是社(こそ)実録(ジツロク)だけれども、跡で人に話しても、ほんたうにはしねへゼ」
④ 編年史の一つの形式。古くは中国で天子の一代の事績を編年体に記録したもの。これが数代分たまると紀伝体の国史が編まれ、王朝が替わると「漢書」「晉書」「唐書」などの正史が編まれる。日本にも、中国にならった「文徳実録」「三代実録」がある。
※両足院本山谷抄(1500頃)二「山谷が、今神宗の実録をしるすほどに、自負して云と云義もあり」
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「おとしばなしもをかしくっていいけれど根がこしれへものだからきいてしまってからはゆめを見たやうな心持だがそこは実録(ジツロク)のみっしりした徳にゃア太閤記でも後風土記でもがうせいな物だヨ」

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