中国,皇帝一代の編年体記録。古く後漢あるいは魏晋南北朝のころにも作られているが,体裁のととのったのは唐・宋時代で,天子の言行を記録した起居注を主材料とし,これに諸官庁の記録類を加えて皇帝の没後に編集した。宋以後,遼・金・元などの異民族の王朝でも,同様に実録の編集につとめ,清末にいたった。実録は歴代王朝の正史の主要材料になっているので,史料としてきわめて重要なものであるが,元来宮廷の秘録ということで民間には流布を許さず,現在では宋の《太宗皇帝実録》のほか,明・清2朝の実録が残っているだけである。ただし明初以来の実録の主材料は詔勅・奏文・内外諸臣の記録などで,多少その内容は変質した観がある。なお,中国の制にならって,朝鮮にも高麗および李朝の実録(《李朝実録》)があるが,前者はすでに滅んで今日に伝わらない。またベトナムの阮朝にも《大南寔録(だいなんじつろく)》があり,日本にも古く《文徳実録》《三代実録》がある。
→清実録 →明実録
執筆者:谷 光隆
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