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李朝実録 りちょうじつろくYijo sillok

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

李朝実録
りちょうじつろく
Yijo sillok

正式には『朝鮮王朝実録』という。朝鮮,朝鮮王朝 (李朝) の太祖から第 25代哲宗までの 471年間の歴史を編年体で記録した書。 1708巻,848冊。初め春秋館で編修していたが,17世紀後半以降実録庁を設置して,これにあたった。春秋館の『時政記』と史官の『史草』を根本資料として,その他の公私記録を収集し,王の即位日から死去の日までの事実を年月日順に編年体で編纂したもので,朝鮮史ばかりでなく,中国,日本史研究の基本史料の一つである。なお,各王代実録の中で日記と呼ばれるものがあるが,これは廃位された王代の実録をいう。実録の保管は王都の史庫のほか,世宗 21 (1439) 年以降は,全州 (全羅北道) 史庫,星州 (慶尚北道) 史庫,忠州 (忠清北道) 史庫をおいた。日本軍侵入でそのほとんどが焼かれたが,わずかに全州史庫のものだけが残り,その後江華島 (京畿道) 史庫,妙香山 (平安北道) 史庫,太白山 (慶尚北道) 史庫,五台山 (江原道) 史庫に分置して,ようやくこれらの実録を今日に伝えることができた。

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デジタル大辞泉の解説

りちょうじつろく〔リテウジツロク〕【李朝実録】

朝鮮の歴史書李氏朝鮮太祖から哲宗までの歴代国王25代約500年にわたる実録。編年体を主とする全1706巻。史官の記録に基づき、実録が編集された。李朝史研究の基本史料。朝鮮王朝実録。

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百科事典マイペディアの解説

李朝実録【りちょうじつろく】

朝鮮の史書。現在では,《朝鮮王朝実録》と呼ばれる。全1706巻。太祖から哲宗まで(1392年―1863年)の李朝(朝鮮王朝)歴代諸王の治績を編年体で叙述。各王の没後編纂(へんさん)され,中には数回改修されたものもある。当初,忠州の史庫に保管されているもののみであったが,1439年の全州と星州に史庫が増設され,春秋館の内史庫と合わせ,4部の手写本を作成してそれぞれに分置した。のちに,清書本1部と活字印刷本3部を作成して4史庫に分置した。1592年,秀吉軍の侵入(壬辰倭乱)で3史庫本が焼失,乱終結後,焼失を免れた全州史庫本をもとに4部を活字で復元し,内史庫と,要害の地に新設された4外史庫(摩尼山のち鼎足山,妙香山のち赤裳山,太白山,五台山)に分置し,孝宗代以後は5部すべてを活字印刷に付した。日本植民地時代に朝鮮総督府の命令で中央にすべて集められ,五台山史庫本は,東京帝国大学に集蔵されたが,関東大震災で大部分を焼失。しかしその写本が,1922年に作られており,朝鮮総督府から,皇室(現宮内庁)に送られ集蔵されており,韓国で返還要求がなされている。東京大学の五台山本の残冊は,2006年,マイクロフィルムに収録され,原本がソウル大学奎章閣に寄贈された。鼎足山本と太白山本はソウル大学奎章閣に,赤裳山史庫本は,韓国学中央研究院蔵書閣が所蔵している。複製は京城帝国大学が縮刷写真版を刊行。第2次大戦後,韓国国史編纂委員会と,学習院大学が刊行(1953年―1968年,56冊)したものなどがある。朝鮮王朝時代の政治・経済・社会・文化の根本史料であるばかりでなく,東アジアの国際関係史や国際交流史についても貴重な史料である。
→関連項目沖永良部島

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世界大百科事典 第2版の解説

りちょうじつろく【李朝実録】

朝鮮,李朝の太祖(1392年7月)から哲宗(1863年12月)に至る各王代の事跡を政府が編纂した編年体の記録。25代1706巻。韓国では《朝鮮王朝実録》と呼ぶ。太祖以下3代のみは綱目体であり,廃王(燕山君光海君)のものは〈日記〉と呼ばれる。《実録》の編纂は国王の死後に始められ,国王に近侍する史官が記録した〈日記(史草)〉と,時政とよばれる政務記録を保管する春秋館が〈日記〉や各官庁の重要書類をもとに年月日順に編纂した〈時政記〉の二つを根本資料として行われる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

李朝実録
りちょうじつろく

朝鮮、李朝の政治、社会、経済、文化に関する基本史料。李朝25代(太祖~哲宗)各王代の史実を政府がそのつど編纂(へんさん)した、編年体を主とする全1706巻に及ぶ膨大な記録である。韓国では『朝鮮王朝実録』とよぶ。哲宗以後の高宗・純宗実録は植民地統治下の1935年に完成され、これを含めてよぶこともある。初めは一部、やがて四部、のち五部が作成された。学習院大学東洋文化研究所と韓国国史編纂委員会から、それぞれ縮刷本が出版されている。日本、中国との関係資料も多く、そのほか琉球(りゅうきゅう)、南方諸島、欧米との関係記事もあり、東アジア国際関係の記録としても重要な意味をもっている。[矢澤康祐]

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世界大百科事典内の李朝実録の言及

【史庫】より

…朝鮮の高麗・李朝時代,《李朝実録》や国家の重要文献を保存するために設置された書庫。1227年(高麗の高宗14),王宮内の史館と慶尚北道の海印寺に《明宗実録》を分置したことが内史庫・外史庫分化の起源である。…

※「李朝実録」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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